唯 夢に見た三つあみ

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お父さんと美加は、正面衝突した。そして、二人は赤色の絨毯の上にころりんと転がった。 「い、痛いよ!! お父さん」 「い、痛いぞ!! 美加」  お父さんと美加は大きな声を上げた。  なんだかお父さんと美加の声が逆に聞こえてくるような気がした。  そうなのだ。美加の姿をした女の子が「い、痛いぞ!! 美加」と言ったような気がした。そして、お父さんの姿をした男性が「い、痛いよ!! お父さん」と叫んでいるように思えたのだ。  これは果たしてわたしの耳がおかしくなったのだろうか。  いや違う。お父さんと美加の体が入れ替わってしまったのだと思う。大変なことになってしまったけれど、なんだか面白いことになりそうやんかとわたしはワクワクした。
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