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「プリティーを極めるには大切なことがあります」
唯は黒板に白のチョークでキュキュと『大切なこと』と書いた。偽教師ぶりがちょっと可笑しい。
わたしは馬鹿らしくて悪魔な姉唯に呆れつつもこの人はお姉さんなんだよねと思うと頬が緩んでしまう。
それに、姿はわたし自身だけど、隣の机に座り馬鹿らしい唯学を一緒に受講するお父さんがいる。
「なあ、お前達はいつもこんな遊びをしていたのか?」
わたしの顔と声のお父さんがわたしと唯を交互に見る。
「今日は特別授業をしているんや。美加自身の姿に戻った記念にね。あ、でも、プリティーなわたしから今度はおっさんなお父さんになってしまったけどな」
「……おっさんなお父さんとはずいぶん失礼なことを言うんやな。まあ、美加がこんな俺になってしまったことは可哀想だと思うけどな」
お父さんはそう言ってわたしを見た。
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