美加

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「あ、それは……おっさん、あ、いえ、お父さんになってしまったのはちょっとびっくりだけど……」 「美加正直に答えても構わんのやで」 「あ、はい。確かにお父さんの姿よりかは唯の方がマシかなと……」  だって、やっぱりわたしは女の子なんだもん。中年男性のお父さんになってしまったことは不憫かなと思う。  だけど、こうしてお父さんと近くで話ができることは幸せなことなのかもと思うわたしも存在している。 「あはは、やっぱりおっさんなお父さんよりか唯のほうがって、ちょっと美加! マシとはなんやねん! プリティー唯ちゃんにマシとはけしからんな」  唯はプリティーとは思えないほど怖い顔でわたしを睨む。  目を吊り上げ睨むその表情はプリティーとはほぼ遠い悪魔ですよとは口が裂けても言えない。
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