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『美加へ。 今まであなたのお父さんが生きていることを隠していてごめんなさい。
どうしても言えなかったの。あなたのお父さんには奥さんと子供がいるから。
その子供は、あなたのお姉さんです。お母さんは美加のお父さんに奥さんと子供がいることを知っていながらあなたを産みました。
美加……。こんなお母さんを許してね。
あなたのお父さんには美加のことをきちんと話してあるから安心してください。奥様も良い方で美加を引き取って構わないと言ってくださっているのよ。
だから、大阪に行って元気に暮らしてね。 母より』
手紙を一通り読み、わたしは呆気にとられた。
悲しみなんて何処かに吹き飛んだ。
だって、わたしにはお姉さんまでいる。しかも、わたしの事を恨んでもいいはずの奥さんはわたしを引き取ってくれるなんて!
そして、わたしは、大阪に行かないとならないのだから。
大阪、大阪だよ! 東京から大阪へ!
わたしの人生は思いもしない方向へと導かれている。わたしの意思とは関係なく……。
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