プロローグ 唯《ゆい》

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 どうかしている。おかしいよ! 絶対に!  わたしに、実は妹がいるんだって!  その妹は、お父さんの愛人が生んだ子供だというのだ。その愛人の女性は先日亡くなったらしい。  だから、孤児になったその子を家に迎え入れるんだって!  おかしいのはお母さん。どうしてお父さんの浮気相手のその子を笑顔で迎え入れることができるの? お人好しにも程がある。アホじゃないの。  そのことをお母さんに言うと、  「仕方ないわよ。もう昔のことだからお母さんは、気にせえへん。それよりその子、可哀想やろ。お母さんが亡くなったんやで。(ゆい)の妹なんだから仲良くしてあげなさいよ」  だって。アホらしい。
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