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委員長はホワイトボードに、三人目の名前を書き込んだ。
「次は?」
「はい、〈イワシの間〉ですね」
「なんで魚の名前ばっかりなのですか?」
「おそらく施設の資金提供者が回転寿司店のオーナーだからですね」
「そうなんですか?」
「施設の名前にもつけられていますから」
理事長が場内マップに目を落とすと、なるほど確かに有名な回転寿司チェーンと同じ名前がつけられている。
「部屋は確かすべて一人部屋ですよね」
「ええ。一人部屋です」
「AさんとBさんは?」
「察してください」
「ああ、はい」
実行委員長は、メモに再び見て容疑者を読み上げた。
「この部屋にいたのはD氏ですね。ずっと眠っていて、雪にも騒ぎにも気づかなかったそうです」
「D氏はn氏と仲が悪かったということは?」
「どうでしょう。情報としては入っていません」
「あとの一人は?」
「ああ、ええとですね。これはなんですかね」
「どれですか?」
「この字です」
「うーん。読めない」
スマホで検索を試みたが、まだ電波状態は回復していなかった。しかしここで手をこまねいていたのでは、さらなる殺人が起こってしまうかもしれない。それはなんとしても避けたかった。
「とりあえずそこはXにしておきましょう。その部屋にいたのは?」
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