第1の殺人

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「E氏ですね。E氏は第一発見者です。昨夜解散してからこのE氏を見かけた人はおらず、アリバイは不成立です」 「第一発見者は怪しいですよね」 「そうですね。推理モノでは定番です」 理事長はホワイトボードに大きくEと書いた。しかし、犯行を立証することは難しそうだ。手がかりが少なすぎる。 ドアが大きな音を立てて蹴破られ、副理事長が飛び込んできた。 「理事長! ご遺体がこんなものを握りしめていました」 副理事長はくしゃくしゃになったメモを広げながら理事長に渡した。 「これは?」 「殺害されたn氏が握りしめていたものです。強引に指を広げて取り出しました」 「お手柄ですね」 理事長は副理事長からメモを受取って広げてみた。何か文字が書いてある。 「読めますか?」 「たぶんこっち向きですね」 「ああ、こうか」 そこには少し前の元号と同じ文字が書き遺されていた。 「ダイイングメッセージでしょうか?」 「その可能性は非常に高いですね。というか他に考えられません」 「どういう意味なのでしょうか?」 理事長と委員長はホワイトボードとメモを見比べながら考え込んだ。 副理事長が、ホワイトボードの文字を見ながらいぶかしそうに首をかしげた。 「このXというのは?」 「ああ、それはこれですね」 実行委員長が捜査メモを副理事長に見せた。 「読めますか?」     
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