桃色の空気

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 彼女は僕の学ランの裾をきゅっと握り、僕を見ないで言った。 「文学以外には興味がないなんて嘘。いい加減気づいてよ、馬鹿」 「え……?」  僕は耳を疑った。  それってまさか。好きな人ってまさか。  僕が声を発するより先に彼女は部室を飛び出していった。  僕と、何かが入った可愛い包みだけが部室に残される。  義理か本命かなんて、聞くまでもない。 「何だよ……お前も同じこと考えてたのかよ……」  いくら文学バカとはいえ、彼女もやっぱり女の子なんだな、と思った。
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