平成最後の日

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「あ、あの...間違い電話じゃないですかね?」 「誰でもいいの!今から言う話をよく聞いて」 「ちょ、ちょっと...」 電話の主は私より2歳くらい上の女性(だと思われる)だった。 「私はあなた達からみると未来の人間。実は、こちら側で不備が生じて、今大体の人達が平成の記憶だけを失っている状態なの。」 「ちょ、それってどういう...」 「つまり、平成はなかったことになってしまってるの。こっちの時間管理ネットワークが故障してしまった。平成を体感出来るゲームに侵入されて、乗っ取られたの」 少し間を置いて話を続けた。 「そして、あなたにはそのゲームで、侵入者を追い出してほしいの。何しろ私たちは、唯一残っていた『平成』という名前だけを元に未来電話をかけたから、平成がどんなものか分からないのよ…...」 「......わかりました。」 私には聞きたいことが幾つもあった。 でも、私は素直に頷いた。
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