平成最後の日

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「まずおかしいと思ったのは、まるで私が話しかけてくるのが分かってるみたいだったこと。だって、私が話しかける前に何か言ってきたじゃん。いくらNPCでもそんな杜撰な設計にはしないんじゃない?」 「......」 のぞみの顔が少し青ざめた。 「まぁそれは、使用であるかもしれないと思ったよ。でも、最初に出てきた変な声、あったじゃん?その口調に何となく似てたんだ」 「......」 「さらにさらに、コンビニで私がおもちゃ屋行こうって言った時、躊躇したよね?私が理由を説明した時には動揺と賞賛が入り交じった顔してた」 「......なかなかの観察眼だねー」 「そして決定打は、あんたがプレイヤーだってこと」 「......」 「私は最初はイベントのキャラだと思ってたよ?でも、あなたがそのフードでHPバーを隠してるんでしょ?」 「...」 「私には鏡で見たら、赤い三角にHPバーが付いてたよ」 「...それだけで僕を記憶を消し去った張本人と決めつけるのは浅はかだと思うけど」 「そうよ。でも、あなたにはほかのNPCに付いてる腰のリングがない。あれは有効エリアから出たら自動的にエリアへ戻すものだと私は考えているよ。現にNPC達、ずっと同じところを行き来してたじゃん」 「...なるほど、僕がNPCならあんなに遠くのコンビニまで行けないということか」
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