1月

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 私は、マグカップの中に少し残った、ぬるくなった豆乳を、ぐるぐる揺らしながら言った。  「うん?どこらへんが?・・・ああ、そうか、意味がね。」  「意味のこと言ってるんじゃなかったの?」  「うん、意味はよくわかんないよ。でも、そうか・・・諸行無常ってこと、なのかな?」  「うん、そんな感じじゃない?」  「マリは、せつないと思う?」   今度は、まっすぐ私を見て聞いた。  「そりゃあそうじゃない?だって、綺麗なものもいつまでも綺麗なわけじゃない、って・・・」  私はそう言って、もう一度豆乳をぐるぐる揺らして、揺れるのを見ながら考えた。  「まあ、改めてそう言われると、そうじゃない気もしてきたけど・・・」  「ふふ、困らせちゃったね。」  彼はいつもいたずらっ子のように、そして静かに笑う。  「ねえこのアルバム、聴いていい?」  「もちろんいいけど・・・今はやめとこ、寝るテンションじゃなくなる。」  「ふふ、テンションあがっちゃうんだね。」  彼はそのアルバムを手に持って、私の隣に移動してきて座った。  彼が私の家に来て1か月ほどが経つが、彼とこれ以上に近づくことはない。  ソファの隣に座った時が、彼と一番近づく時だ。  「マリが好きなのはどの曲?」     
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