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この日をどれほど待ち望んだだろう。こんな最良な日はない。 「これでいい」 僕はその出来上がったものを見て、にんまりと嗤う。 これで今まで馬鹿にしていた連中を見返せるのだ。中には面と向かって 「お前はフランケンシュタイン博士を気取ってるだけだろ?」 と言ってくる輩もいた。 だが、僕が目指したのは化け物を造り出すことではない。これはテクノロジーだ。 「そう。だって機械なんだから」 僕が造り上げたのはアンドロイドだ。いや、アンドロイドを上回る、究極の人造人間と言えるだろう。その点だけを見ると、確かに目指した場所はフランケンシュタイン博士と同じだ。 日本ではよく化け物の方をフランケンシュタインと言うが、それは間違いだ。あれは博士の名で、化け物に名前はない。 そんなことはどうでもよく、僕が造り上げたものに人間そのもののパーツは使われていない。 皮膚はモデルから得たデータに基づいて、正確に造り出した偽物だ。その他も同様。 重さはさすがに同じとはいかず、三倍はあるだろうか。それは機械であるから仕方ない。いや、そうであることが矜持でもある。 そう。僕は大切な人のコピーを造り上げたのだ。もう会えないあの人。僕の人生はあの時から黒に近い灰色だった。 「ーーもう無理なの。さようなら」 あの言葉を言われた時、僕はこの時間を止めなければと思った。そして咄嗟に取った行動は、人生の数年を台無しにするに値するものだった。
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