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第十一章:赦し求めず、愛を願う◾️
たった数日間でも離れていれば寂しくなるタイプのロシュは、自分の部屋にリシェを呼び寄せてベッドに寝かせていた。
しんと静まり返った真夜中、ベッドの側の大きな窓の外は星空が広がって見える。
「寒くないですか、リシェ?」
「大丈夫ですよ、ロシュ様」
リシェは湯浴みした後にロシュによって軽くオイルを塗られ、甘い香りを放ちながら若干眠気と戦っていた。
眠ってしまったらロシュと話が出来なくなる、と気をしっかり保とうとする。
衣摺れの音と共に、お互い身動ぎした。
「居ない間、ずっとあなたを思っていました。ご無事で良かった。あなたを抱き締めたくて仕方無かった」
小さな体を抱き締め、ロシュは彼の温もりを確かめる。
胸元で微睡むリシェもしっかりと抱き返し、嬉しそうに顔を埋めた。
「…リシェ」
ロシュはやや緊張の面持ちで彼に話を切り出した。瞼を揺らし、リシェも彼の呼びかけに反応する。
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