第十三章:呪吸石と双子の兄弟

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 話を全く聞かないルイユの自由っぷりが炸裂していた。 「俺はこれから任務に行くのだ。お前に構っている暇なんて無いぞ」  朝っぱらから苛々させられながら、リシェは制服をしっかり着込んだ。しかし自由過ぎるルイユはあどけなさのある頰を膨らませ、「えー」と不服そうに言う。  彼はズカズカとリシェの部屋に入り、ベッドに腰を据えて室内を見回した。  まるで彼が部屋の主のように。 「何だ?」 「地味な部屋だな!お前そのものじゃん」 「…余計なお世話だ!!」  必ずいらない事を言いだすルイユを部屋から出そうとするが、彼は動きそうにもなかった。  枕元に寝かせていたクマのぬいぐるみを引っ張り出すと、彼はその柔らかさについ頬擦りをする。 「柔らけえぇえ!お前にしてはいい趣味してるな!」 「それはロシュ様から頂いたものだ、気安く触るな」  どうでもいいから部屋から出て行って欲しい。
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