第三章:白の騎士

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第三章:白の騎士

 剣技会の優勝者は、外部からやってきた旅の武術者の勝利に終わった。勝ち残っていたヴェスカは、いい線まで行ったが何も無い所で意味不明に躓き転んで隙が出来てしまい、そこを付け込まれ失格という間抜けな終わり方で準決勝敗退になった。  その情けない負け方はこの先延々と語り継がれるようになる。  ロシュから司聖を守る役割を命じられたリシェは、内部にある裁縫室に居た。  白い騎士専用の服の採寸を済ませ、裁縫師の着せ替え人形のような扱いを受け続けうんざりした後、眠い目を擦りつつロシュと共に剣の製作の為鍛冶場へ向かう。 「あの、武器は剣なら何でもいいんですが…大剣以外なら扱えますし」  剣士の宿舎からの引越し、在籍の変更、新しい服の採寸と工程をこなしていたが、さすがにもう疲れ果てていた。剣は持っているものをいつも磨いているし、使いこなしていたから少し愛着もある。何の変哲のない一般の剣だが悪い所は無いのだ。  それに採寸時に全く関係の無い試作ドレスを数着着せられ、精神的にダメージを食らっていた。また来てねと言われたものの、二度と来るかと思った程だ。     
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