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見た感じ、同じ年齢位だろうか。その重厚感溢れる姿は、ベテランの様相だ。リシェのような若者では纏えない雰囲気がある。
帯同している仲間らも、やはり重装備だった。年季の入った武器を背にしている。
「そうなのね。残念。地元の子なら案内して欲しかったのにぃ」
「馬鹿言え、地元の子がこんなしっかりした魔導師の格好するかよ」
「兄ちゃん悪かったな。こいつの癖なもんで勘弁してやってくれ」
彼女の暴走を止めるのに慣れているのか、浅黒い肌の土埃に塗れた男はオーギュに謝った。
「いえ」
ぺこりと頭を下げ、その場からすぐに離れる。
理由はどうあれ、女性から声をかけられるのは悪い気はしないものだ。
露店から放たれるグルメ的な匂いが鼻を突く。同時に客を呼ぶ威勢の良い声。浮き足立つ旅行者の波。
…若干人酔いしてきた。
騒めく人の流れの中周辺を見回していると、住居が密集しているエリアに視線が止まる。道端に展開されている露店の他にも、別の違ったものが発見出来そうだ。
少し寄って行くか、と思い立った。
石畳を軽く蹴るように足早に進む。
開かれた露店通りとは違い、住宅街は往来する人間達は少なく見えた。歩きやすくて丁度良い。
たまに住人御用達の店舗がある他は、特に変わったものは無いようにも思える。
個人的には薬草の店があれば有り難いのだが。
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