第二章:剣技会

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第二章:剣技会

 一年に一度、アストレーゼン大聖堂では武運を競う剣技会という催し物がある。国内を守る剣士達が挙って集い、観客に日頃の鍛錬の成果を披露する為に大々的に行われていた。  腕自慢の男達は待っていましたと言わんばかりに喜んで参加の申し込みをする。  宮廷剣士らは勇んで参加をするのは、大聖堂のお偉方に対して自分達の力をアピール出来る唯一の舞台だからだ。  お眼鏡に叶えば専属の護衛役や、司聖と共に行動出来る役割…白騎士の役目を得られるチャンスが巡ってくるかもしれない。真っ白な法衣を身に纏う司聖を命がけで守る役割を持つ騎士は、腕っぷしの強い剣士ならば当然憧れであり、名誉な事。白騎士という名も、司祭の法衣の色から取っての名称だった。  現在の司聖ロシュには、まだ白騎士が居ない。  側に誰か居るのを嫌がる為だという話は聞かないが、常に補佐役で、強力な魔力を持つ魔導師のオーギュが居るから、身近に護衛が居なくとも事足りているのだろう。  だからこそ、剣士達はアピールの場を使って我こそは白騎士に相応しいと燃え上がるのだった。 「先輩は参加しないの?」 「ん?」     
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