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「はい、ロシュ様?」
胸元の彼は顔を上げ、上目遣いの状態でこちらを見てきた。ロシュの体はぞくりとする。
こんなに密着してしまうと、やはり意識してしまうのだ。
「そ、そろそろ…」
「?」
「えっと…あのっ、わ、わたしと、そのっ…」
明らかに大人であるロシュが、あどけなさのあるリシェに対して照れて言いにくそうにするのはやはり違和感があった。
リシェをごろりと押し倒し、ロシュは彼の上で恥ずかしそうに顔を若干逸らし気味にすると、顔を真っ赤にした。
「せっ、セックスしませんか」
微かに押し倒すロシュの腕が震えているのを感じる。
リシェは驚いたのか目を見開き、硬直した。
体を撫でられるのは過去に多々あった。だが繋がるまでには至らない。ロシュはリシェの過去を汲んだ上で、今まで軽く刺激を与える程度の事しかしてこなかったのだ。
こんなにはっきりと言われるのは初めてだった。
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