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SFじゃないけど、いつの間にか中身が誰かと入れ替わった?
「……何だよ。俺だってちゃんと反省するんだって。美桜には強引は駄目ってちゃんと覚えた。水族館が嫌ならどこか別のところ考える」
すごい……。
大熊さんって成長するんだ……知らなかった。
熊男には何言っても通じないと思ってたのに……。
そっか……。
「他の候補どこですか?」
「え?いや、まだ何も考えてない。水族館しか考えてなかった」
そう言っている内に、次の高速道路出口が徐々に近付いてくる
「何か見たい映画とかあるか?」
「……いえ、全然」
「じゃあ買い物とか、欲しいものは?」
「……全く」
「そっか……」
しょぼんと落ち込む熊男が何だか少しだけ可哀想になった。
そんなに楽しみにしていたのかな……。
「本当に……反省してます?グイグイ来るのはダメってちゃんと分かりました?」
「うん、反省してる。グイグイも駄目」
まさか自分がこんな決断してしまうとは。
ふうっと溜め息を吐く。
「……じゃあ、今回だけですよ?次からは……いや、次はもう無いんですけど」
「マジ!?本当に?うわっ滅っ茶嬉しい!分かった!次はちゃんと短いコースも考えるから」
……だから次は無いって。
運転しながら熊男が子どものようにはしゃいでいる。
そんなに嬉しいのか。
それを見て何だか私の口元も少しだけ緩んだ。
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