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「……なあ、美桜……恥ずかしいことって何?俺、さ。キスされたら滅茶苦茶恥ずかしいぞ?」
それは、落語の饅頭怖いと何が違う?と軽く睨む。
それを嬉しそうに照れ笑って誤魔化す彼。
……どうしよう。
困った。
「だから、そんなんじゃないですから」
「俺さ、好きになってくれるの待つから……付き合うの前向きに考えてくれないか」
その声がいつもよりずっと優しい。
「まっ待たなくても良いですから……別に」
本当に、困った。
調子が狂う。
壁がポロポロと崩れてくのが自分でも分かる。
外からというよりも内側から……。
もしかすると……私は……彼を。
初めて彼に『好き』を意識した日……。
それが今日。
私の特別な日々の始まり。
了
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