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夜、寝る前に歯を磨こうとしてチャイムが鳴った。
……?
こんな時間に、しかもうちに訪れるほどの知り合いもいない。
……一体誰が?
恐る恐るドアを少しだけ開ける。
途端にぐいっと引っ張られ、チェーンをしておいて良かったと安堵した。
隙間から覗いた目に私は小さな悲鳴が出た。
「てめー、このやろう。帰り厨房寄れっつったよなあ?」
「……すみません。忘れてました」
本当は嘘だけど。
「とにかくドア開けろ」
「……嫌です。こんな時間に……それに……」
「嫌って、お前なあ……仕方無いだろ?だから厨房に寄れって言ったんだって。寄らなかった自分を恨んでさっさと開けろって」
だんだんイライラしてきてか、彼の声が外に響く。
仕方が無い、さっさと受けとるもの受け取って追い返してしまうしかない。
「……今チェーンを外すから待っていてください」
再びドアを開けると、彼がガラス瓶を抱えて立っていた。
……?
「ほらこれやるから飲め。蜂蜜玉葱だ。蜂蜜大根
よりも効果あるぞ」
「……効果って、何がですか?話見えないですけど」
困惑気味の私にそれを差し出す彼。
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