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わたしにとってバレンタインデーとは
初恋、でした。
ほっぺが膨らむほど口いっぱいにチョコをほおばって
わたしを見つめるあの男の子の幸せそうな表情に、
わたしは恋をしました。
小学五年生のバレンタインデーの日の朝、
いつもより早めに登校したわたしは
前日に母と一緒に作った初めての手作り生チョコレートを
大きなタッパーに詰めて、
クラスの男子も女子も関係なく全員に配って回りました。
当時の
好きな男の子どころか
恋というものがどんなものなのかすら何も知らず、
料理好きな母と一緒に
色んな料理を作るのに夢中だった私は、
そんな母の
今思えばおそらく気まぐれのような思いつきのせいで、
バレンタインデーに手作りの生チョコを
クラスのみんなに配ることになったのです。
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