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 おもしろいような、気持ち悪いような。テンションが少し下がったから、別のテーブルに行った。色んな色のホイルにくるまれた、いろんな形のチョコが山積みになっている。サッカーボール、イチゴ、ウサギ、車。他のテーブルに比べて地味だったからスルーしたんだ。私は山積みのチョコの中から一つとる。ミントグリーンのハート型のチョコだった。包みを開こうとしたとき、そのホイルの輝きに気持ちがうずいた。チープな光沢がなんだか懐かしい感じがして……私の中の幼い私がそれを欲しがっている。いつだったか覚えてない、私がまだ、世界は自分のことを愛してくれていると思っていたころ。売り場に山積みになったチョコレート。そのときの私はお金の価値なんてしらなかったけど、それは決して高価なものではなかったはず。でも幼い私からすれば、それはとってもステキなものだった。ホイルに包まれて、キラキラと光を反射するチョコレートは、私には本物の宝石に見えた。私は、隣に立つ大人を見上げて、これが欲しいとねだって、嫌いな顔が、私の脳裏によぎる……。包みを破いて中のチョコを噛んだ。安っぽい甘さ。ぐしゃぐしゃになった包みを捨てて、私は早足で部屋の中を歩いた。楽しいもの、ステキなもの、私だけのもの、いやなことなんか忘れさせてくれるもの……。
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