洒落たバーでカシオレを頼んだ男の話

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しばらくして、気分は落ち着いた……が。 昔から人付き合いが苦手な僕は、会社のお荷物となっている。営業に根本から向いてないといってもいいだろう。 そんな甲斐性の無いぼくに、気の利いた言葉は浮かばなかった。 僕は立ち上がるなりその人から顔を背け、手で「もういいです」と制した。 その人がどんな顔をして僕を見ていたのか、今となっては知りようもない。 言い訳をするならば、ただ“情けなかった”。そして、“早くこの場を去りたかった”。 そんな気持ちに負けた僕は足早にその場を去った。
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