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(あれ…?この人…どっかで見たことあるような…)
何となく、私はこの人の顔に見覚えがあった。
しかし、それがどこで見たのか全く思い出せない。
いや、お酒が回っている頭では考えることが出来ないと言った方が正しいかもしれない。
そんなことを思いながら、私は頬杖を付きながらその男性の顔を見つめていると、私の視線に気付いた彼は、小さく微笑みながらペコリと頭を下げた。
「新顔のお客さん?」
彼はそのまま私の隣に座り、尋ねてきた。
「はぁ…。まぁ…」
「1人…だよね?俺もご一緒させてもらっても良いかな?」
落ち着いた雰囲気と爽やかな笑顔から紳士的なイメージがあったが、初対面の女性に対して軽いノリが一気にそのイメージを壊した。
(…遊んでる人なのかな)
私はそう思いつつも断る理由が無かったので、了承した。
「どうぞ。っと言っても、もう隣座ってるじゃない」
普段なら初対面の人には丁寧に話すのだが、彼の軽い雰囲気とお酒の力のせいもあって友人と話すような普通の言葉で返していた。
「まぁ、断られないと思ってたからね」
「へぇ~、よっぽど自分に自信があるのね」
「それも少しはあるけど…何か1人で飲んでるのが寂しいって感じに見えたから」
その言葉に、私は少し驚いた。
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