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「終わりにしようって羽奈に告げられた時、色々考えたんだ。確かに、あの関係をずっと続けていく事はできない。それに俺には会社を守らないといけないから、結衣の元に戻るという選択が正しいことも分かる。それでも、どうしても俺は納得できなかった。気持ちが無い状態でこれからもずっと一緒にいて、俺も結衣も幸せなのかって。だから、結衣には正直に言った。最初は納得してもらえなかったけど、毎日話し合って、最終的には離婚が決定したよ」
「でも…それじゃあ海斗の会社は…!?」
海斗と姉さんの結婚が成立しているからこそ、海斗の会社への支援を約束されているのだ。
それが破棄になってしまったら、海斗が守ろうとしていた物が無駄になってしまうのではないだろうか。
「そこは大丈夫。俺が引き続きアムール専属で仕事をする事で了承をもらったよ。短期間ではあったけど、それなりに成果を出してたからな。会社の支援をしてくれるぐらいの価値はあるってことだ」
「流石は俺だな!」と少しおどけたように海斗は言った。
「だけど…どうして沖縄に…?」
「新しくオープンする店舗だから、“有名フラワーコーディネーター、月村海斗”っていうブランド名を売りにして盛り上げようっていうのが1つの理由。あとは…」
海斗はそこで言葉を区切ると、私を真っ直ぐと見つめた。
「お前と一緒に仕事がしたいから」
「え…?」
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