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「前に話しただろ?俺が目指しているものは、自分の知識と腕でお客様を最高の笑顔にする事。お前と一緒に仕事をしてみて、分かったんだ。お前がお客様1人1人を大切に想う気持ちと俺が目指しているものは似ている。だから、お前と俺が力を合わせれば、きっとお客様を最高の笑顔にできるんじゃないかって」
「海斗…」
「あと…単純に好きな女の傍にいたいから」
真っ直ぐと伝えられた言葉。
もう二度と聞く事は無いと思っていた言葉。
直接、顔を見て言ってもらえる日が来るなんて思わなかった。
私の胸の中には様々な想いが込み上げてきて言葉を発する事すらできず、ただ頬を温かい雫が伝っていくだけだった。
「泣くなよ…」
海斗は少し困ったように眉を下げながらも、優しく私を抱き締めてくれた。
「…愛してる、羽奈。これからも俺と一緒にいてくれ」
「…私も、愛してるっ…」
この温もりをもう離さないというかのように、私は海斗の背中に腕を回し、しっかりと抱き締め合った。
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