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また、オレンジ色の西日に染まる、静かになった放課後の教室の片隅でも……。
「――それじゃあ、いっせーのーで開けよっか?」
互いに手作りのチョコを交換しあった仲の良い女子達三人が、机の上に広げたそれの箱を合図とともに開け、この世代独特のキャッキャッとしたノリで各々の出来栄えを披露しよとしている。
「んじゃ、いくよ~……いっせーのーでっ! …キャっ!」
しかし、先程の男子生徒同様、そこにあるチョコレートを見た瞬間、皆、一様に血の気の失せた顔になって短く悲鳴をあげる。
「な、なにこれ………やだ、気味悪い……」
「あたし、こんなの作ってないよ……」
「わたしだって……誰かの悪戯? だとしたら趣味悪すぎ……」
それまでの弾んだ雰囲気とは一変、暖色に染まる教室の中でも薄ら寒い空気を感じながら、彼女達はその見知らぬチョコレートを震える瞳で見つめた――。
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