チョコ集計のバイト

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私は、正直ずっとバレンタインデーという行事が大っ嫌いでした。まあ子供の頃から今に至るまで全然モテませんでしたから。貧乏で小汚く、いつもしかめっ面でしたからね。バレンタインデーなんて、母親にしかもらったことありませんよ。学生時代も大人になってからも。社会人になっても、私は非正規雇用で、なおかつ女性がほとんどいないような職場ばかり点々としていましたからね。バレンタインデーで女性からたくさんチョコが贈られてくるなんてのは、どこか別の世界の話でした。まったく、チョコ業界のうさんくさい戦略に惑わされやがってみたいに思ってたんですよね。どうせ俺とは無縁の話だ!って思ってました。 このチョコ集計のバイトは本当に偶然見つけたんです。人気漫画だけあり、バイトが集計しているっていうことはおおっぴらにしたくないみたいで、こっそりとタイトルとか何を集計するかは秘密にして短期間で募集広告が出ていたんですよね。だから私がこのバイトについたのは本当に偶然です。 この漫画が好きすぎる人には集計頼めないみたいなんです。以前熱心なファンを雇ったら、カウントの不正があったみたいなんですよね。だから、私のような漫画自体にそこそこ興味はあるけど、すごいファンというわけでもないというおっさんが採用されます。私は、正確に速く数えることができたので、それも採用理由だったようです。
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