黒猫ビターチョコ

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次の日の朝、家を出る前に昨晩綺麗にラッピングしたチョコレートの箱に手を伸ばした。 手に持ってどうするだろう。 どうせ誰にも渡すことなく持ち帰って、一人で食べることになるのだろうという虚しさを止めることはできないが、ここで辞めてしまえば、女が廃る。 そして行く宛のないまま家を出てしまった。 幸か不幸か今日は休日で、本来なら会う予定だった。 1人で見慣れた道を歩きながら、想い出と現実の狭間を行き来していた。 あの時、私がもっと悲しい素振りを見せたら… ここで、私が彼を引き留めていたら…
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