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私は特に行く宛もないならついて行こうと思い、その猫の進む方向に歩を進めた。
猫について歩くと、毎日見ていたはずの景色が見知らぬもののように思えてきた。
時折黒猫も立ち止まって振り返る。
私が後ろにいるのを確認するかのように。
そして私が付いてきているのを見るとまた前を向き私のことなんか忘れたかのようにマイペースに歩いていった。
気が付けば、隣町まで来てしまった。
いつも使う最寄り駅とは反対側の町だからあんまり来ることはない。
「どこまで行くんだろう…」
そう呟いたが猫は私の声に振り返ることなく進んでいく。
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