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 始まりは、僕たちが母親の胎内に生命を宿した瞬間までさかのぼる。  僕たちは、双子の兄弟として生まれた。同じ顔をした元気いっぱいの赤ん坊だった。  生まれたての天使のようなふたつのいのちが、その数日後、おぞましい事件によって引き裂かれるなど、いったい誰が想像できただろう。  退院して自宅に帰る途中、父親が運転する車が爆破された。父はかすり傷程度で済んだが、助手席の母親は即死だった。  父は後部座席を確認した。ひとりの赤ん坊は火が付いたように泣いていたが、もうひとりはぐったりとしている。  おそらくひとりは助からないと瞬時に判断を下した父は、泣きじゃくる赤ん坊だけを腕に抱き留め、脱兎の如くその場を立ち去った。  父にはすぐに逃げなければならないならない理由があったのだ。  なぜなら、そう、彼は世界征服をもくろむ極悪テロリスト集団のオーナーだったから。
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