2.安奈

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少しだけポッチャリしている165cmぐらいのちょっと大柄な娘だ。ショートボブで僕の好きなタイプなのだが、小柄な娘が好きな日本人には残念ながらこのような娘はあまり人気ないだろうと思う。 案の定、この店に来てから今日で4回目の指名だと言った。もし、これだけで生活してるなら、苦しいだろうし、並ぶ順番を下げられたら、指名はますます少なくなるので、早晩、辞めることになるだろう。 「下着になりますか?」 「え?」 「私、チップ+100元で下着もOKです」 「えっと、下着って、ブラジャーとパンティだけ?」 「はい」 「いや、いいよ」 別に興味が無いわけじゃ無い。いやこの娘なら胸も大きいので下着姿はセクシーで似合うだろうと思うが、店のスタッフも氷を取り替えに来るのに、下着姿の娘に接客されてるのは、スケベ心を発散しているようで、僕は嫌だった。 ちょっと、いや、はっきりガッカリした表情だったので、 「でも、チップは+100元してあげるよ」 と言うと、とたんに嬉しそうにした。このあたりの日本人には無い現金さは、反応がシンプルで本心を探らなくて良い分、とても楽だ。 機嫌も直ったので聞いてみた。 「この店は、下着の接客もするようになったの?」 「ええ、女の子の判断です」 「いつから?」 「さあ、私が入ったときは、そうなってました」 最初から下着姿の女の子が並ぶ店もあるが、ここは、そのようなお店では無かったハズだ。あくまで女の子の判断に任せる=お店は関与しない、という建前なのだろうが、まあ、店舗間の競争が厳しいのかもしれない。正直、セクシィさを出した方が男が寄ってくるのは確かだ。我ながら(僕も男なので)情けないとは思うが、悲しいかな男の(さが)だろう。 彼女は「安奈」と書いた名刺を出した。僕は、もっと中国っぽい源氏名の方が良いと思うのだが、結構、日本風の名前を付けている娘が多い。 安奈は、先ほどの+100元で僕の事をいい人と判断したのか、カモだと判断したのか、なつくように密着して接客してくれた。
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