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ホテルでのSEXを楽しみにして、その場ではそれ以上は進めず、安奈も服を元通りにした。
そして安奈の事などを聞いた。
四川省の出身だった。なぜか、上海のKTVの娘は四川省出身者が多い気がした。
少し性欲も落ち着いたところで、切り出した。
「莉莉という娘はこの店にいるのかい?」
「いえ、聞いたことがないです。その人、あなたの恋人ですか?」
「いや、違うんだけど、以前、よくこの店で会っていたので・・・・、どうしているかなと思って。辞めたのかな」
「その人がいたら、あなた指名しますか?」
「いや、安奈を指名するよ。僕は安奈が好きです」安っぽい「好きです」だなと思いつつ、気まずくなると困るので、そう言って取り繕った。まあ、取り繕いを除いても、安奈は僕好みの娘だったので、あながちウソではない。
「ちょっと待って下さい」と言って、部屋を出て行き、5分ほどして戻って来て言った。
「3ヶ月ほど前に辞めたそうです。体調が良くないので、と言っていたそうです」どうやら、女の子達の控え室へ言って聞いてきてくれた様だった。
3ヶ月前・・・。僕にメールをくれるより前だ。この店を辞めた後にメールをくれたことになる。メールでは、特に何も言っていなかった。
いつもと同じように、少し変な日本語のショートメール(中国では国の取り締まりでLINEが使えない)でやりとりをしていた。
どうしたのかな? 少し、気になったが、安奈がキスをしてきたので、それ以上、気にすることは無かった。
「R」店は、23時を越えると女の子は客と一緒なら退店できた。安奈が着替えるのを待って、店を出ると、店の前でスタッフがタクシーを呼んでくれた。
ホテルのカードを安奈に見せて、運転手に行き先を伝えて貰った。
週末の外灘にも近い繁華街の真ん中にある五つ星のホテルのロビーは賑わっていた。
「堂々とね」ロビーを横切るとき、僕の腕を取りながら、安奈が言った。
心得ている。こんな所でオドオドしていたら、これから悪いことをしようとしています、と言っているようなものだ。
部屋に入ると、安奈を抱きしめた。安奈がまたキスをしてきた。会って数時間なのに、もう、デープキスをする仲になっている。
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