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「起きてください」
可愛らしい声が私の耳に入ってきた。
目を開けると横に顔が小さくてツインテールがよく似合う高校生ぐらい女の子がいた。
「ここはどこ」
私はその子に尋ねてみた。
「わ、私も分からないんですけど、多分、教室だと思います」
その子はオドオドしながら答えた。
教室?わたしは周りを見渡してみた。確かに正面には黒板があって机や椅子こそないがそこは学校の教室のようだった。
「これで、みんな起きましたね」
後ろから声がした。振り向くとそこには3人の女性がいた。
「あのここはどこですか。どうして私こんなところにいるんですか?」
私は3人に向かって問いかけてみた。
「私達も貴方と同じで気付いたらここにいたの」
答えたのは30代前半くらいのとてもスタイルがいい女性だ。
私はまるでモデルさんみたいな女性だと思った。
「皆さん、おはようございます」
突然上のスピーカーから声がした。本当に突然だったため私を含め5人の女性が体をビクンとさせて驚いた。
「皆さんには、 突然ですがこれから殺し合いをしていただきます」
スピーカーから聞こえる声はボイスチェンジャーで声を変えているのか、この世のものとは思えない声をしていた。
「何言ってんのよ。あんた誰よ。ここはどこなのよ」
先ほどまで中央にいた3人の中の一人がスピーカーに向かって叫んだ。
「何者?そうですね私の事はXとでも呼んでください」
「ちょっとどういうことよ」
そんな言葉を無視してXは話し始めた。
「先ほども言いましたが皆さんには殺し合いをしていただきます。殺し方はどんな方法でも構いません」
「なんで私達がそんなことしなきゃいけないのよ」
「なんで?それは私が楽しいからです」
高笑いをしながらXは答えた。
「私はこの校舎の何処かにいますので逃げようとすれば私が直々に殺しにいきます」
淡々と話している恐ろしい事を私はただ棒立ちで聞いていた。
「最後まで生き残った方はここから無事脱出できる権利が与えられます」
「あぁそれと校内には女性でも扱えるピストルをご用意してありますので、どうぞそれもご利用ください。説明は以上です。それでは」
そう言うとスピーカーから声がしなくなった。
私はこの時まだどこか他人事のように思っていた。
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