ゾンビになった彼と不甲斐ない僕

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ゾンビになった彼と不甲斐ない僕

 先週からまる一週間、学校を休んでいる。  病気ではないが、ズル休みのつもりもない。  毎朝起きる度に登校しようと思いはするのだが、なんとなく行きたくなくて。  とりあえず制服に着替えようとハンガーラックにかけたワイシャツに手をかけるのだけれど、息苦しくなってやめてしまい、自分の身体の形に膨れたまま温かさの残る布団の中へと戻るのだ。  布団の中へ潜って目を閉じていると、決まって七時四十五分にカツンコツンと窓のあたりで音がする。  窓に向けて小石が投げられるのだ。  小石を投げてくるのは友達だった。  彼は、通学路の途中に僕の家があるからといって毎朝決まった時間に迎えにくる。小石を投げるのは、僕が家から出てくる様子がないからだ。おかげでベランダには、毎朝小石が溜まっていく。  それを、かれこれ四回繰り返している。  今日で五回目になるはずだったのだが、ベランダの小石は増えなかった。  なぜなら、毎朝小石を投げていた彼は、ゾンビになってしまったのだ。  彼は今、僕のベッドの脚に両手両足を縛られ、ベッドの上で蠢いている。激しく全身をバタつかせて、ガタガタとベッドを揺らしていた。  拘束から逃れ、僕を襲いたがっているのだろう。     
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