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その証拠に彼の虚ろな目は、常に僕を捉えている。
彼のこめかみや頬には乾いた血がこびりつき、肌の色は青ざめていた。歯を剥いて僕を狙うその表情が、やはりゾンビになったのだと思わせる。
どうしてこんなことになってしまったのか。
まさか、僕が不登校なんて始めたからこんなことになった、なんてことはないだろう。
「悪い製薬会社から変なウィルスが漏れ出した」なんていう、よくあるゾンビものの設定にあるような理由なんかも考えた。けれども、まだ電波の繋がっている一階のリビングのテレビに噛りついても、有益な情報は得られない。
一つだけわかったのは、ゾンビが発生したのは僕が生まれ育った市だということだ。現在ゾンビの市外への流出は食い止められているらしい。液晶画面には、よく知っている町中にゾンビが溢れかえっている様子や、暴動による爆発や火事の映像ばかりが一日中繰り返し流れている。
ニュースの合間に流れるCMは公共広告機構のものばかりだ。
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