プロローグ

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プロローグ

 腕にまとわりつく闇は冷たかった。けれど、絶望の淵に沈んでいた私にはそれが心地良く、丸めていた掌の力が抜けてしまった。  私の手から滑り落ちた念珠。糸がほどけ、珠が地面に散らばる。  眼前で渦巻いていた闇は狂喜し、風となって私を包み込んだ。 * * * * *
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