5人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
力の真実と蘇る記憶
……死んだ……。
そう思った。
ドカン、カタン、バタン、ガシャリ、ボトッ、ボトボトッ
宙に浮かんでいた物が次々と落下していくようだ。床に着地する音や割れる音、倒れる音が周囲から聞こえる。
「…………あ~…………」
どうしてこのテーブルは俺の上に載ってるんだろう……? 他の物はみんな、俺を避けて落ちてきてるのに…………。
「あ痛、イタタタ……ううう………あれ?…」
瞬きする。顔を上げるために首を動かせば、身体が動いた。
「あれ? 生きてる……?」
もう一度、瞬きをする。そして、自分の身体の半分を覆っているテーブルの重さに顔を歪めた。
「重…っ…」
自分が生きていることを認識した時、室内のざわつきにも気がついた。再び顔を上げると、リビングルームへ続くガラス戸は開いていて、シィ兄の他、カズ兄(一番上の兄貴の一哉)、フゥ兄(二番目の兄貴の二葉)、そして父さんが顔を覗かせていた。俺と目が合うと、父さんは何故か吹き出し、横を向いて身を震わせた。
「笑うところじゃないでしょっ。ちょっと、あなたたちもっ。見てないで助けてあげなさいっ」
最初のコメントを投稿しよう!