1.黄色

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 ――私が“奴”に出会ったのは、かの『蒼空戦線』を戦う部隊に編入されてからの初戦だった。  当時、戦闘機の乗り手たる“空の騎士”たちの中でも抜きんでた技量を持っていると認められていた私は、我が祖国がかの戦争に参加した際、その先鋒部隊として選抜された。そして持ちうる技量を充分に発揮して己の才能を瞬く間に知らしめたのだ。  数々の作戦に参加し、遂行し、完遂へと導いて着々と戦果を積み上げた私は、『撃墜王』の称号を手にするまでになっていた。  ――私は空に愛されているのだ。  かつて、従軍記者にそう語ったことがある。最前線で戦う部隊の中で、自分に敵う者は敵にも味方にもいないとも確信していた。  ジェットエンジンの放つ轟音は子守歌ですらあり、機体は手足のように扱うことができた。自分の思い描いたとおりに飛ばすことができるのだ。そう思っていたのだから、負けることなど考えるわけが無かった。     
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