TRACK 0 プロローグ

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その趣味のせいで付いたあだ名は「おた男」 別に俺はなんて言われようと気にしてなんかいないし、三次元の奴らには興味はないからなんの問題もないんだけど。 俺は表示されている画面を凝視しながら瓶底の様な分厚い眼鏡のブリッジをあげた。 でも… そんな俺にも夢なるものがあった これは絶対に一生叶わない夢だって自分が一番分かっている。 でも、それでも夢くらいあってもいいだろうと俺は思う。 俺はエロゲ―が表示されてる画面から少しだけ目を逸らすと、パソコンのすぐ隣に立ってある写真立ての写真をちらりと見た。 そこには、“ヒメたん”の写真と共に一つのメッセージが書かれてあった。 <―…いつか貴方と歌いたいな―…> 俺もいつかヒメたんと一緒に歌いたい…それが俺の絶対に叶わないだろう最初で最後の夢―…。 ふと、気が付けばパソコンに表示されていたエロゲーはいつの間にかエンディングのエンドロールが流れていてぼんやりと眺めながら聞こえる透き通った可愛らしい歌声に耳を傾ける。 「俺の憧れのヒメたん…いつか会えたら俺も一緒に歌いたいよ、ヒメたん…」 “舞羽ヒメ” アイドル歌手兼エロゲーのみ出演の声優の今最もアニメ業界で騒がれてる美少女。     
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