TRACK 0 プロローグ

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運命の番は会うだけでわかると言われていて、Ωは抑制剤を飲んでいても意味はなく発情状態になってしまう。また、番になるためには性行為の最中にうなじを噛む事で成立される。番になったΩはフェロモンを発さなくなり、番となったαだけがそのフェロモンを感じることができる。 番は結婚や恋人などよりも強いものであり、どちらかが死ぬまで解消されないと言われている。 わかってるんだよ、ヒメたん。 初めて君の声を聞いた時すぐにそう思ったんだ… 誰にも興味を持たなかった俺がヒメたんの声を聞いただけでこんなにも震えた。息ができない程心臓が高鳴った。 動悸も早まり、熱い何かが込み上げてくる感じが全身をかけ巡ったのだ。 顔さえ見れば俺の妄想とも捉えられない考えはきっと確定になるはずだ だって、 俺にはわかるんだ。 まだ会った事もないけれどヒメたんはきっと俺の魂の番で――― Ωだと言う事が。 だって、俺はαなんだから―… あぁ、 ヒメたんに会いたい。 会いたくて会いたくてたまらない。 その美しい声で俺の名前を呼んでもらいたい。 会えるのならばすぐにこの腕で抱きしめたい。 会えるのなら今すぐ君の項に噛みつきたい。 きっと可愛らしい声で鳴いてくれるに違いない。 キスをすればその唇はきっと甘く俺を虜にさせるだろう。 肌に触れればすぐに反応して可愛い声を出して感じてくれるだろう。 俺の右手が静かに下半身の膨らみへと伸ばされる。 スウェット越しでも分かるほど大きく反りだった性器をスウェットの上から優しく撫でると、そのままボクサーパンツの中に手を入れる。 根元にはノットと呼ばれるこぶしのようなものがついているのはαの性器の特徴だ。Ωが妊娠しやすいようにあるその膨らみを指でなぞり、勃起した性器を握りしめると上下に動かした。 「っは…ヒメ、たんっ…ヒメたんヒメたんっ…ヒメっ…」 パソコンのすぐ隣に置いてあるヒメたんの写真を見ながら左手をその写真の中のヒメたんの唇、首筋、胸、そして股間へと順番に指先でなぞりながら性器を動かすスピードをあげる。
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