80人が本棚に入れています
本棚に追加
『はい、本田です。』
本田さんは、直ぐに電話に出てくれた。
「あのっ!この前お会いした春日です。」
『ああ……君か……』
私と分かった途端、冷たい声に変った。
「この前の契約の件、まだ間に合いますか?」
『あれか……今日までだったっけ。』
まるで、そんな契約忘れたような、言い草。
「お願いです。契約して頂けませんか?」
『急だな。はっきり言って、今の今まで連絡がなかったんだ。こちらも気持ちが変わってね。』
「そんな……」
もう契約は、駄目って事?
「もう一度だけ……もう一度だけ、会えませんか?」
それでも、私は必死だ。
泰介の命が、かかっているのだ。
「お願いです。もう一度だけでいいんです。」
最初のコメントを投稿しよう!