第2章 懇願

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『はい、本田です。』 本田さんは、直ぐに電話に出てくれた。 「あのっ!この前お会いした春日です。」 『ああ……君か……』 私と分かった途端、冷たい声に変った。 「この前の契約の件、まだ間に合いますか?」 『あれか……今日までだったっけ。』 まるで、そんな契約忘れたような、言い草。 「お願いです。契約して頂けませんか?」 『急だな。はっきり言って、今の今まで連絡がなかったんだ。こちらも気持ちが変わってね。』 「そんな……」 もう契約は、駄目って事? 「もう一度だけ……もう一度だけ、会えませんか?」 それでも、私は必死だ。 泰介の命が、かかっているのだ。 「お願いです。もう一度だけでいいんです。」
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