第2章 懇願

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半分、泣きそうになりながら、本田さんに願った。 「分かった。そこまで言うんだったら。」 今から、会社に来いと言う事だった。 幸い、本田さんの会社は、泰介が入院している病院に近くて助かった。 私は、肩に重い荷物を背負った気で、その会社に向かった。 今度は、逃げる事はできないだろう。 本田さんに求められたら、受けるしかない。 私は、本田さんの会社のビルの前で、目を閉じた。 大丈夫。 本田さんになら、抱かれたって後悔はしない。 後は、自分の気持ち次第だ。 私は、意を決して本田さんに電話をした。 『はい。』 「春日です。今、会社の前に着きました。」 『裏口から入って。エレベーターで10階まで来て。』
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