第2章 懇願

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「はい。」 私は電話を切ると、ビルの裏口から中に入り、エレベーターで10階に来た。 「やあ。」 エレベーターの前で、本田さんは待っていてくれた。 私が息を飲んで、本田さんの前に立つと、急にキスをしてきた。 そのキスが、とろける様な甘いキスで、私は思わずため息を漏らしてしまった。 「本当に来るとはな。」 そう言うと、本田さんは私の手を掴み、社長室へ連れて行った。 「ここに来たと言う事は、もう覚悟はできているんだろう?」 その言葉の後、私はソファに押し倒された。 「ほ、本田さん!」 急な展開に、付いていけない私は、顔を背けた。 「何だ。また、話に来ただけか。」 本田さんは私から離れると、向かい側のソファに勢いよく座った。
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