第2章 懇願

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「だから、こういう世界が普通にあると、思っちゃうんだよね。」 三宅先輩は、どこか肝の座った人だった。 大抵の事では、動じないと言うか。 それが、そういう生い立ちから来ているとは、今の今まで知らなかった。 「で?どうするの?泰介君の手術費用。」 「……考えていませんでした。」 三宅先輩は、はぁっとため息をついた。 「まあ、保留って事は猶予期間があるんでしょ?」 「はい。」 「その間に、よく考えなよ。」 「そう……ですね。」 三宅先輩はそう言うと、休憩室を去って行った。 本田さんに抱かれたら、私は愛人契約以上の事を求めてしまう。 それは、望んでも叶わない夢。
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