第2章 懇願

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「たくさんの女の子を面接していると、分かるのよ。こういう仕事が、好きじゃない子。でもお金の為にって、思いつめるのよね。そういう子って、結局続かないのよ。」 「あの……」 私は、心の内を見透かされたようで、恥ずかしくなった。 「私、一生懸命働きます。」 「そうは言ってもね。向く子と向かない子がいるのよ。悪い事は言わないわ。あなた、こういう商売じゃなくて、真っ当な道を選びなさい。」 そう言って、オーナーは行ってしまった。 お店を出た私は、敗北感に蝕まれていた。 お酒を飲んで、お客さんを楽しませていればいいのだと言う安易な考えは、プロには通用しなかったみたい。 こうして猶予期間は、明日を残すのみになった。
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