第2章 懇願

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「それだけですか!?」 期待外れの金額に、思わず大きな声を出してしまった。 「あの……お金は必ずお返ししますから、もう少しなんとかなりませんか?」 治療費と手術費は、年末調整で帰ってくるから、今だけ乗り越えれば…… すると黒いスーツの人は、私に近づいて来て、耳元で呟いた。 「あんた、ソープの経験は?」 「ソ、ソープ?ななないです。」 「ソープで働くんだったら、倍出してもいいよ。」 「倍ですか……」 30万あれば、手術できる。 けれど、ソープって…… 私はゴクンと息を飲んだ。 ソープって言っても、ただ裸になってサービスするだけよ。 愛人契約よりは、まだましよ。
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