扉を開けたら

目覚め

こんな幸せに包まれている僕が調子に乗って君たちに今までの僕の人生を語ってやるよ。僕は16年前にこの世に生まれた。僕には母さんがいて、父さんはいなかった。母さんが僕を一人で育ててくれた。ここまで聞けば、あぁ、よくありがちな典型的なパターンだと思うだろう、けど違うんだな。母さんはたしかにいい人だった。僕のやりたいことしたいことなんでもさせてくれた。僕も、それに応えるために頑張った。幸運にも僕は全てにおいて成績を残した。僕が始めてやりたいって言ったピアノでは金賞もとった。絵では地区で1番と言われた。陸上だって県大会だけど行った。習字も中央展に選ばれた。いっぱい賞状ももらった。中学ではオール5に優秀生徒賞も貰って、地域じゃ誰もが羨む僕になった。だけど、僕は最大のミスをしてしまった。