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私は全身の力が抜けたような感覚をぐっとこらえながら、帰路に就いた。
が、なんだか真っ直ぐ家に帰るのも嫌になって、遠回りして繁華街の駅に向かった。
駅前のカフェで新作のカプチーノを注文し、自分へのご褒美とした。
記念すべき1回目の授業。お疲れ様の意味を込めて口をつけた瞬間、
座った座席の目の前、ガラス窓の向こうに翔がいた。
向こうも気づいたのか、微笑みながらこちらへ向かってきた。
コーヒーを注文し、隣に座ってくるやいなや彼は話し始めた。
「びっくりした。久しぶりだね、ってあまり外見変わってないからすぐに分かったよ。」
「失礼じゃない?笑 でも、本当にお互い変わってないよね。」
「美羽さんtalknow急に辞めちゃったから、心配してたんだよ。」
「弱音を吐きたくないから一回辞めたの。その後実は復活してる。」
「え~ウソ、何で教えてくれないのさ。」
「なんとなく。ってかそっちも教育実習?こっちにいるってことは。」
「そう!母校の生徒言うこと聞かなくてマジ大変だよ~数学なんて嫌われ科目だろ?
でも、だからこそ面白く、聞きたい!と思う授業しなきゃなぁと思って、
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